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柴山 環樹*; 中道 勝*; 内田 宗範*; 河村 弘; 木下 博嗣*; 鬼柳 善明*; 高橋 平七郎*; 野村 直之*
JAERI-Conf 2004-006, p.216 - 219, 2004/03
Beは中性子増倍材料の候補材料であるが、14MeVの中性子照射を受けるブランケット内では、はじき出し損傷だけではなく核変換による劣化も起こる。近年、BeTiがBeよりも優れた機械的特性を有する材料として開発された。本研究ではBeTiの20000appmHe, 700CまでのHe照射効果、特にミクロ組織の挙動をマルチビーム超高圧電子顕微鏡を用いてその場(In-situ)観察で評価した。また、機械的特性をナノインデンタで評価した。その結果、BeTiはBeに比べてHe及び電子線の照射による欠陥生成が少ないことを明らかにした。また、機械的特性の劣化が小さいことを明らかにした。
沢井 友次; 芝 清之; 深井 勝麿; 菱沼 章道
6WS-96: 6th Int. Welding Symp. on the Role of Welding Science and Technology in the 21st Century, 2, p.483 - 488, 1996/00
核融合炉の炉心構造材料として短期的には最も有力な候補材料であるオーステナイト鋼に対して、溶接を行った場合の照射によるミクロ組織変化、特にボイドスエリングを母材と比較した。用いた照射手段は超高圧電子顕微鏡、分裂炉(HFIR、ORR)である。このうちORR照射では、照射温度が400Cと低かったために母材と溶金部のスエリングの差はなかったが、超高圧電子顕微鏡照射では溶金部と溶接熱影響部では母材よりスエリングが大きく、これは特に溶金部で顕著であった。(照射温度は500C)。HFIR500C照射でも、溶金部のスエリングは、過去の母材データに比して大きかった。これら溶金部でのスエリング増加は、溶金部凝固組織中でのスエリング抑制元素の偏析と関連している。照射条件の差により、超高圧電子顕微鏡で照射した溶金部では、ボイドの発生が不均一ミクロ組織を生じさせていたが、原子炉照射ではボイドの成長が鍵であった。
沢井 友次; 深井 勝麿; 實川 資朗; 大津 仁; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 212-215, p.453 - 457, 1994/00
被引用回数:4 パーセンタイル:42.35(Materials Science, Multidisciplinary)ヘリウム予注入した2種類のオーステナイトステンレス鋼(316R材とK材)の超高圧電子顕微鏡照射下のミクロ組織変化を、鋼種・予注入ヘリウム量(予注入なしを含む)の関数として調べた。ヘリウム予注入を行わない条件では、K材のボイド発生は極めて少なく、耐ボイドスエリング性は316R材より優れていたが、20appmHe予注入材では、K材・316R材ともボイドの発生が促進され、発生したボイドの成長速度の差でK材のスエリング量は316R材を上回った。ボイドスエリングは、ボイドの核生成と成長に分けて考えられるが、鋼種によるこのバランスの違いがヘリウム注入(主にボイド核生成を助ける)による組織変化挙動の差となって現れている。これは、スエリング量の絶対値のみならず、鋼種による耐スエリング性の優劣さえも、照射条件によって変わり得ることを示した実験結果と言える。
實川 資朗; 片野 吉男; 白石 健介*; F.A.Garner*
Effects of Radiation on Materials, p.1034 - 1050, 1992/00
超高圧電子顕微鏡でニッケル試料の組織変化に観察し、同時に照射を行った。試料に力を加えると照射で生じた転位ループの積層欠陥が解消反応した。従来、転位ループが大きい程、解消反応が生じやすいとされていたが、今回の結果は解消反応が生じやすい大きさには上限もあることを示した。これは、転位ループのセグメント間に働く反発力が解消反応を助長しているためと推測した。また、転位ループの成長速度と大きさの関係から、転位ループのバイアスファクターが転位ループの大きさに対して正の依存性を持つことを見出した。これは、従来の理論モデルに合っていない。この理由も、転位セグメント間の反発力の効果によると推定した。
沢井 友次; 深井 勝麿; 浜田 省三; 鈴木 建次; 菱沼 章道
Journal of Nuclear Materials, 141-143, p.444 - 447, 1986/00
被引用回数:4 パーセンタイル:48.02(Materials Science, Multidisciplinary)現実の核融合炉建設にあたっては、その第1壁構造材料に対して溶接施工は不可避である。本研究では0.08%Tiを含む316鋼及びJPCAに対して電子ビーム溶接を行い、その溶接ビード部から電子顕微鏡試料を採取して超高圧電子顕微鏡内で電子線照射を行い、また分析電子顕微鏡により凝固時の偏析状態を調べた。電子線照射による耐スウェリング性の試験では、316鋼、JPCA共に、溶接溶金部では母材に比してボイドスウェリングが著しく大であった。分析電子顕微鏡による微小領域分析の結果、溶接溶金部の凝固セル状組織のセル界面領域に溶質元素の濃縮がみられ、このため溶金部の他の領域ではスウェリング抑制元素の濃度が低下して上記スウェリング挙動を示したものと考えられる。
實川 資朗; 片野 吉男; 白石 健介
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(9), p.671 - 677, 1984/00
被引用回数:14 パーセンタイル:79.2(Nuclear Science & Technology)照射下に於けるミクロ組織の変化に対する外力の効果を調べるために、超高圧電子顕微鏡を用いて電子線照射下の純ニッケル中のミクロ組織変化を試料引張ステージを用いて、その場観察してみた。照射温度は723K,電子線束は110e/msとした。外力が加わっている試料では、照射により生じたフランク・ループが、10nm程度にまで成長するとUnfaultすることが観察された。外力を加えていない試料中に発生したフランク・ループも外力が加えられるとUnfaultした。Unfaultを生じさせ得る外力の大きさは、照射温度723Kのとき、112Unfault方向の剪断応力で、3.7MPa以上であることがわかった。Unfaultして生じた完全転位ループの成長速度は、フランク・ループのそれより3倍程度と大きかった。外力の加わっている試料中に於いては、これらの完全転位ループは、その大きさがある大きさを越えるまで成長すると、すべり運動をして拡がった。
菱沼 章道; 深井 勝麿
Journal of Nuclear Science and Technology, 20(8), p.668 - 673, 1983/00
被引用回数:9 パーセンタイル:71.25(Nuclear Science & Technology)ステンレス鋼のボイドスウェリングに及ぼす固溶チタンの効果を調べる目的で、高温(1200C)で溶体化処理した最大0.25wt%までチタンを添加した316-ステンレス鋼を超高圧電子顕微鏡の中で電子線照射、ボイドの生成成長を連続観察した。316-ステンレス鋼のスウェリングは添加したチタン量とともに急激に減少した。このスウェリングのチタン量依存性は、主にボイドの密度がチタン量とともに減少することとよく対応する。この現象は、固溶チタンがマトリックスに対してOver sizeであり、空孔をトラップすることから説明される。すなわち、チタンの空孔をトラップする効果によって、定常状態の自由空孔濃度が減少し、その分だけボイドの核生成速度が小さくなるためである。
古野 茂実
Journal of the Physical Society of Japan, 47(3), p.895 - 902, 1979/00
被引用回数:1電子線照射されたMo結晶中の点欠陥生成の異方性が超高圧電顕を使って実験された。この実験で欠陥集合体の形成は電子線の正確な結晶軸方向の入射に対して最も強められ、その軸方向からずれるに従って減少することが認められた。またこの実験で点欠陥生成の尺度として用いられた欠陥集合体の飽和密度は電子線の強度に比例することが認められた。欠陥集合体の形成の電子線強度依存性と電子線入射方位依存性の比較から、点欠陥生成の異方性は結晶原子のはじき出しに有効である原子点もしくは原子列上での入射電子の局在化による電子線密度が電子入射方位によって変化する結果生ずるものと結論された。
菱沼 章道; 片野 吉男; 白石 健介
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(9), p.690 - 696, 1978/09
被引用回数:7オーステナイト鋼のボイドスウェリングの機構を明らかにするために、市販の316-ステンレス鋼およびハステロイ-Xに対応する高純度Fe-(v-Ni合金を試作し、そのスウェリング挙動を調べた。照射は超高圧電子顕微鏡を使って、1MeVの電子線を300~600Cの温度範囲でおよそ30dpaまで行った。Ni基合金のスウェリングは同じ条件で照射したFe基合金に較べて小さい。それは生成するボイドの数と大きさが共に小さいためである。鉄基合金のボイド生成核はそのまわりに溶質原子であるNiの偏析による歪場によって安定化され容易にボイドへ成長する。いっぽうNi基合金ではそのような偏析が起らないため、ボイドの生成核は不安定であり、そのままでは成長しにくい。とくに高温(2500C)照射で生じるボイドの数は極端に小さくなる。またFe基合金のボイドの成長はNi基合金に較べて早いのは、照射によって生じた転位の上昇運動が前者の方がより活発であるためである。
菱沼 章道; 片野 吉男; 白石 健介
Journal of Nuclear Science and Technology, 15(4), p.288 - 295, 1978/04
被引用回数:6ハステロイ-Xを超高圧電子顕微鏡を使って、400~600Cの温度範囲でおよそ40dpaまで電子線照射して、そのスウェリング挙動を調べた。ハステロイ-Xのスウェリングはすべての温度で同じ照射量の316-ステンレス鋼に比べて小さく、それはボイドの大きさが小さいためである。その原因はボイドが生成するまでの照射時間(潜伏時間)が長いこと、および転位の上昇運動が遅いためである。潜伏時間はボイドの生成核の安定度に依存する。すなわちハステロイ-Xでは316-ステンレス鋼に観られるような溶質原子のボイド生成核の表面への偏析による安定化が起こらないための転位密度が充分大きくなるまでボイドの生長が起こらない。ボイドの安定度はまた空孔の過飽和度の小さい温度領域でボイドの数密度に強く影響をおよぼし、高温(600C)での非常に小さいスウェリングの原因となる。
菱沼 章道; 片野 吉男; 白石 健介
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(10), p.723 - 730, 1977/10
被引用回数:13溶体化処理した316-ステンレス鋼を加速電圧1MVの超高圧電子顕微鏡を用い、370-630Cの温度範囲で約30dpaまでの電子線の照射によるボイドスウエリングの照射量および照射温度依存性を調べた。 照射量が約5dpaを超えるとボイドの密度と転位密度は一定となり、V/V=A(dpa)の実験式で表される。照射温度が高くなるにつれて指数nは増加し、比例定数Aは減少する。照射温度が550Cの場合、指数nは1.5である。これはボイドの成長が空孔子の拡散によって支配されているためである。高温(550C)では、空孔子のボイド表面での反応がボイドの成長を規制し、nは1.5よりも大きくなる。また低い照射温度(≦550C)でのボイドの成長は転位の影響を受け、nの値は1.5よりも小さくなると考えられる。照射量が30dpaのときスウエリングが最大となる照射温度は570Cである。この温度は照射量が多くなるにつれて高温側にずれる。
菱沼 章道; 片野 吉男; 白石 健介
Journal of Nuclear Science and Technology, 14(9), p.664 - 672, 1977/09
被引用回数:10超高圧電子顕微鏡の中で厚さの異るステンレス鋼を550Cで電子線照射し、ボイドの生長の様子を連続観察した。バルクの性質を示す1.5mの厚さの試料では、ボイドはおよそ4dpa程度の照射量でボイドとして観察されるがその時はすでにボイドの密度は飽和に達っしている。さらに照射を続けても新たに生成するボイドは極くわずかで、ボイド同士の合体によってむしろその密度は減少する。スウエリングはおよそ30dpaまで照射量の1.5乗に比例して増加する。いっぽう0.4mの厚さのうすい試料では、ボイドの密度はおよそ25dpaまで照射量と共に増加する。また、試料表面近くで成長したボイドは試料表面で消滅するため、みかけのスウエリング量は飽和する傾向がある。挙動の厚さによる違いは、照射によって生じる空孔子点、格子間原子および転位の大きな消滅源としての作用が、うすい試料の表面ではより大きいためと考えられる。
白石 健介
電子顕微鏡, 12(1), p.15 - 20, 1977/01
原子炉で使用される金属材料は中性子の照射によって延性が低下(脆化)したり、寸法が変化することが実用上大きな問題になっている。これらの現象は、原子のはじき出しによる格子欠陥および核変換によって生じるガス原子が関係しており、電子顕微鏡で観察される照射欠陥と対応させることができる。そこで、電子顕微鏡で観察される金属材料の放射線による損傷組織を中心にして、原子炉材料の原子のはじき出しによる硬化およびそれに伴う脆化、ガス原子による脆化およびスウエリング、析出粒子と照射欠陥の相互関係、高速増殖炉の炉心材料の損傷の模擬実験としてのイオン照射損傷および超高圧電子顕微鏡の利用について解説した。
菱沼 章道; 片野 吉男; 深谷 清; 白石 健介
Journal of Nuclear Science and Technology, 13(11), p.656 - 662, 1976/11
被引用回数:8超高圧電子顕微鏡を用いて電子線照射したステンレス鋼に生ずる照射欠陥の様子を照射温度および照射量の関数として連続観察した。300C以下の照射温度では転位ループは大きく成長しないが、照射温度を400Cに上げると六角形をしたフランク型,ダイヤモンド型転位ループと複雑な形をしたフランク型の転位ループが観察された。ダイヤモンド型転位ループは照射量と共に大きく成長し、転位線から転位鋼に発達する。いっぽうフランク型転位ループは一度完全転位ループとなり転位線へと変化する。500Cで数dpa照射した試料では転位ループと歪のコントラストを持ったボイドの生成核が観察された。さらに照射すると転位ループは急激に成長し転位鋼を形成する。いっぽうボイドは照射量と共に成長するがその数はほとんど変らない。また500Cでの照射では粒界の移動が観察された。
出井 数彦
原子力工業, 21(2), p.53 - 56, 1975/02
超高圧電顕の特徴とその効用を、重要な部分だけ簡単に説明し、次にこれを用いて、固体の放射線損傷と構造欠陥の研究する場合の研究の進め方と問題点について、応用例を挙げながら概説した。
菱沼 章道; 片野 吉男; 深谷 清; 白石 健介
Journal of Nuclear Materials, 55(2), p.227 - 228, 1975/02
被引用回数:2原子炉材料で重要な問題となっているボイドによるスウェリングの現象を超高圧電子顕微鏡を利用して模擬実験を行なっているが、そこで重要な現象を見出した。ステンレス鋼を電子顕微鏡の中で照射しながら(照射湿度、550C)観察すると、比較的短時間にボイドは急激に形成されるが、まもなくその数は飽和し(約310cm)、ほとんど増えなくなる。その後照射を続けてもすでにあるボイドが成長するだけである。しかし照射を一時止め短時間(約15分間)時効して再び照射を始めると、ボイドの数はまた急激に増加することがわかった。この新しいボイドは時効中に核生成するものと考えられる。この現象は実際の原子炉でも重要であると考えられる。